サウジアラビアは5月11日に、付加価値税を7月から、従来の5%から15%に引き上げると発表しました。
そこで以前、「石油の浸み込む国と、浸み込まない国がある」ということを聞いたことを思い出しました。
原油や天然ガスを大量に産出し、経済的に豊かと思われる産油国の中でも大きな違いがあるというものです。
サウジアラビアやイランのように、広い国土を持ち、大きな人口を抱える国の場合には(サウジアラビア:3370万人、イラン:8180万人)、発電所や道路などのインフラ整備や、国民に対する生活サービスの提供などで、多くの費用がかかります。このためいくら石油を輸出して収入があっても、費用もかかるため、オイルマネーがいくら入ってきても、あたかも砂漠に水が滲みこむように、使ってしまう。
他方カタール(人口280万人)やバーレーン(人口160万人)のように、国土面積も人口も小さい国は、国中の開発も終わっており、石油関連の収入があっても、もはやあまり使うところがない、というものです。
逆に言うと、サウジアラビアやイランには、人材や自然資源というリソースがあると言えます。これらのリソースを活用することにより、中小企業の育成を通じて製造業を振興したり、観光業やIT産業の発展に注力するなど、人材育成と産業振興に努めることが必要です。
またこれに対応して、欧米、日本などが、これらの国々の人材育成や産業振興に協力することによって、世界全体の持続的な発展が実現できるようになると思います。